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9.マイオデンチャー

Neuromuscular concept

特に総義歯症例は、歯根膜のメカノレセプターからの感覚情報は失われ、程度の差はあれ顎関節部の器質的・形態的変化も進んでいるため、歯科治療の中でも非常に難しいものの1つとなっています。

下顎安静位が、生理的下顎安静位の適応範囲を越えて与えられれば、様々な形で無歯顎患者特有の問題が生じてきます。例えば安静空隙を過大に与えたいわゆる低い義歯(一般に総義歯では顎間距離を短く与えがちである)では、咀嚼筋力の低下・口唇や皮膚の弛み・口角下垂・咬合位の後退や不安定化・フラビーガム・咀嚼運動パターンの不規則な側方滑走化・人工歯間に舌を介しての異常嚥下・咀嚼リズムが速くなるなどの原因となります。

また、義歯の維持を左右する2つの要素である義歯辺縁組織と床縁の適合性と、義歯床と床下粘膜の適合性が得られなければ、義歯の吸着不良や疼痛・歯槽粘膜や骨吸収を招きます。時間と経費を費やし義歯を作製しても、吸着が得られなかったり、再来院時には既に緩くなっているなどの経験はどなたにもおありでしょう。

そこでこれらの問題を解決するため、印象採得と咬合採得にマイオモニターとマイオプリント(抵抗が少なく適度なフローがあり、作業時間・硬化後の硬度・寸法安定性に優れた即時重合レジン)を使用して義歯作製します。そうして作製された義歯をマイオデンチャーと呼んでいます。


マイオデンチャーの特徴

1.他の印象法では印記しずらい、機能時の僅かな筋収縮をとらえることで、義歯辺縁組織が床縁をつかみこむようになり、床縁はベスティブル(齦唇齦頬移行部)で満たされ、義歯床縁からのリークが無くなり最良の義歯吸着が得られる。
2.床縁の印象は、術者や患者の意思に関係なくマイオモニターとマイオプリントによって自動的に決定される。
3.印象材のマイオプリントが硬化する間に硬・軟両組織に均等に圧が加えられ、床の適合性が良くなる。
4.生理的下顎安静位から適正な筋肉位に咬合を採得することで、咀嚼・嚥下などの機能的改善がはかれるとともに、咀嚼運動パターンがチョッパータイプに改善され、義歯の側方回転圧が減少して吸着が増し装着感も良くなり、支持組織も保護される。
5.適正な筋肉位を得ることで、骨吸収や不良な義歯装着により失われた咬合高径や下顎の3次元的な位置を改善し、プロファイルや表情の審美的回復ができる。

マイオデンチャーと旧義歯の比較

旧総義歯

旧総義歯
新製作されたマイオデンチャー

新製作されたマイオデンチャー


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